ストレートネックの根本解決に最も適していると言われる運動療法について解説。各矯正法のやり方や運動療法を行う際の注意点などを分かりやすくご紹介します。
運動療法は、ストレートネックの原因となる姿勢不良や体の歪みの根本改善を目的としたアプローチ法です。ストレートネックの運動療法には次のようなものがあります。
丸めたバスタオルを首の下に敷き、枕代わりにして寝たら、膝をゆっくり曲げ、両膝をくっつけた状態で左右どちらかに脚をゆっくり倒します。同様に、反対側にもゆっくり倒します。このストレッチを行うと首の負担が軽くなり、痛み緩和が期待できます。
等尺運動は、痛みのある筋肉に負荷をかけて筋肉を鍛える方法です。椅子に座り、姿勢を正した状態で自然に両手を下げて座席をつかみます。体を固定したら首を前、後、右、左それぞれ3秒間倒します。姿勢が崩れないように固定するのがポイントです。
シュラッグはショルダーシュラッグの略で、ダンベルやバーベルを使って首周りの筋肉を鍛える筋トレです。ダンベルを両手に持って立ちます。肩幅程度に両足を広げ、肩と腕の力を抜いたら、両肩をギュッとしながらできるだけ高くすくめていきます。最も高い位置で1秒間静止したら、肩を緩めてダンベルを元の位置に戻します。10~15回×3セットを目安に行うと効果的です。
大腰筋の緊張をとることでストレートネックを改善する方法です。仰向けになり、両手を体の横に置いて脚を浮かします。このとき、首も浮かしてください。この姿勢を固定したら、膝を伸ばし両膝をくっつけた状態で垂直に脚を振り上げます。元の仰向け状態に戻り、上げる→下げるを繰り返します。
お腹の下の方にある腸腰筋と腹直筋(いわゆるインナーマッスル)を鍛える筋トレです。脚を伸ばした状態で床に座ります。手を床について上半身を支えたら、脚を少し浮かせます。息を吐きながら膝を曲げ、胸に引きつけたら今度は息を吐きながら脚を伸ばします。これを10回×3セット行うと効果的です。
腰を上げずに行う腹筋です。床に仰向けになったら膝を90度に曲げて脚を上げます。息を吐きながらお臍を見て、腰が上がらない程度まで上半身を起こします。肩甲骨が床につかないくらいの位置までゆっくり息を吸いながら上半身を倒します。これを20回3セット以上行うのが理想です。
正しい姿勢と強靭な腰をつくるための筋トレです。バーベルを首の後ろに担いで直立し、姿勢を整えます。下半身と腰を固定したまま腰を前に折って状態を下げます。背中はまっすぐ、胸は張った状態をキープしてください。上半身と床が平行になるまで下げたら、ゆっくり元に戻します。10~15回×3セット行うと効果的です。
背筋に筋トレです。床にうつぶせになったら両手をあごの下あたりに置きます。胸と脚を同時に浮かせて背中をそらします。背中の筋肉が縮んでいると感じたところで2秒間キープし、ゆっくり元に戻します。15回×3回を目安に行いましょう。
こちらも背筋の筋トレです。足を肩幅よりも広めに開き、ダンベルを持って立ちます。息を吸いながら上半身を前に倒して片足の先にダンベルを近づけます。息を吐きながら上体を起こして元の位置に戻ります。反対の足にも同様に行います。
フィットネスクラブなどに置かれている腹筋マシンです。負荷を加えられるので、より効果的に腹筋を鍛えることができます。
スクイーズは英語で「絞る」という意味で、筋肉を絞るトレーニングです。筋肉を伸ばしたり縮めたりするのではなく、静止した状態で鍛えます。鍛える部位によって様々なトレーニング法があります。
いわゆるインナーマッスルを鍛えるウォーキング法です。歩幅を10cmほど広くするだけで鍛えられるのでとても手軽です。ウォーキングのスピードは、会話ができる程度の速さが適しています。
上記のほかにも、インターネット上には様々な筋トレやストレッチが紹介されています。つい、あれもこれも試してみたくなりますが、自分自身の姿勢やストレートネックの状態を把握せずに運動療法をしても、実は全く意味がありません。まずは、「自分の体を知ること」。その上で自分の体に合った効果的な運動療法を実践し続けることが大切です。
運動を取り入れることはストレートネックの改善にとても有効です。しかし、多くの人はトレーニングの動作が早すぎて筋肉の深部にまで負荷がかからず効果が薄れてしまったり、一所懸命になり過ぎて無理な力がかかって逆効果になってしまったりしています。この問題点を解決するために生まれたのがスローコアエクササイズです。仰向けに寝ながら筋肉の緊張をほぐし、頸椎のカーブと全身の筋肉と骨格のバランスを整えていく、負荷の少ないエクササイズとして注目されています。
運動療法の最大のメリットは、ストレートネックの根本原因にアプローチできる点です。投薬治療は痛みを抑えたり炎症を和らげたりする対症療法であるのに対し、運動療法は「筋肉を緩めて筋肉疲労が回復しやすい状態をつくること」、「正しい姿勢や動作を体に記憶させること」という根本改善を目指すものなので、首のカーブが戻る可能性が非常に高いです。マッサージなどの施術を受けるのも良いですが、運動療法を取り入れた対策も取り入れていきましょう。
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